青森に春の訪れを伝える桜前線が北上するのは4月のことです。
東北の雪深い季節は終わりを告げて、気持ち的にも伸び伸びとした気配が芽生えます。
街はにわかに活気付き、これからやってくる季節に向かって駆け足で走り始めます。
そんな春の一日の季節はやはり、桜の花びら一枚から始まるのがふさわしいです。

東北の名城 弘前城

東北の名城といえばその中の一つが弘前城です。
白亜の外壁とアーチ状の天守は日本城の特徴を今に伝えています。
城の土台には石垣が組まれ、周囲に堀と土塁が連なり、今なお戦国の世を映す鏡のような名城であります。
江戸時代には弘前藩津軽氏の居城として知られており、廃城になった現在は国の重要文化財に指定されて手厚く保護されています。小説家の司馬遼太郎をして「日本七名城の一つ」といわしめた美しい建築です。

弘前公園の桜

現在はお城を中心にして公園が整備されています。
旧藩主津軽氏が廃城後に城の敷地を借り受け整備し、一般に公開したことに端を発する市民公園が弘前公園なのです。
園内には1903年以降桜の植樹が始まり、現在では2,600本を超える桜の樹が弘前公園には植えられています。
春になれば一斉に咲き誇り、市民や観光客の目を楽しませ、咲き誇った梢の間からは弘前城の勇壮な姿を望むことが出来るのです。弘前公園に桜が咲いたら青森にも遅い春がやってきたのだと、地域住民はお祭りの準備に勤しむのです。

桜はなんと2600本

2,600本の桜が咲き乱れる光景は壮大でありながら、日本的な奥ゆかしい情緒を感じさせてくれます。
日本さくら名所100選と人と自然が織りなす日本の風景百選に選ばれているのは、お祭りを準備して観光される人たちをお出迎いおもてなしする青森県弘前市の思いやりに他なりません。
桜の手入れをしながら一年、弘前さくらまつりの準備をされているのです。

見どころは?

やはり城をバックに見る桜ですが、夜桜もたいへん美しいことで知られています。
西濠の夜景は天下一と名高く、幻想的な雰囲気すら漂っているのです。思わず時間を忘れ見とれてしまいます。
外堀のゆっくり流れる水面に浮かぶ桜の花びらたち、花筏も美しい光景です。
ピンクの絨毯を引きつめたように、一面の花筏が流れてゆきます。
西堀の桜のトンネルを眺めながら歩けば、まるで桃源郷に迷い込んだ気分になります。
遠くには独立峰の岩木山がそびえ立ち、山頂の山肌は白く雪化粧をしています。津軽富士と呼ばれ、日本百名山並びに新日本百名山指定されている名峰です。
太宰治はその勇壮な姿を見て「十二単を拡げたようで、透き通るくらいに嬋娟たる美女」と綴りました。古くから山岳信仰の対象として崇められる山でもあります。
桜を眺めながら岩木山に目を向けると、北国の厳しさと優しさが胸に響いて来るようです。

桜以外にも

広前公園には桜だけではなく、たくさんの見所が満載です。
本丸にある鶴の松は推定樹齢が500年といわれている歴史ある名木であり、威厳ある佇まいは見る人を圧倒します。
三の丸には樹齢320年と伝えられる杉の大木があり、スケール感に驚いて足を止めてしまいます。

9つの橋

弘前城には天守・櫓・城門が現存していて、1棟の天守・3棟の櫓・5棟の門に加え、9つの橋を見学することも出来ます。
幕政時代の面影を残した貴重な建造物群を訪ねながら歩けば、約40分の散歩として良い運動になります。しっかり観覧しながら回ると2時間ほど掛かるようです。

追手門・杉の大橋・南内門・未申櫓と見学して歩けば、気分はタイムスリップします。
随所に桜が植えられているので、散策しながらお花見も楽しむことが出来ます。

文化遺産

弘前城は桜の名所であると同時に、地域のランドスケープとしての役割も担っています。
文化遺産として地域のシンボルとして大事に守られているからこそ、春になると美しい花が咲き誇るのです。

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